2009年03月11日
命名 ---scene2---
入院中の嫁に体に気をつけるように伝え病院を後にした。
入院と言っても別に病気な訳じゃないから心配ないし、やはり子供を産むってことは大変なことなんだろう。俺が長居をして気を使わせても可愛そうだし、男の俺がいたからと言って何か手伝ってやれることは限られているので、家に戻ることにした。
「タッチャン・・・かぁ・・・」
タツヒコ、タツユキ、タツオ、タツノリ・・・「タツ」が付く名前って意外に多いことに気が付いた。
「タツ、タツ、タツ・・・」
ふと、タツキチと言う名前が浮かんだ。
「それはないだろう」
と一人で突っ込みを入れてしまった。
ところが、なかなかこのタツキチと言うのが頭を離れなくなって他の「タツ」が思い浮かばなくなってきてしまった。
「ナイナイ!」
ここにきて人の名前を付けることの重大さが分かってきた。
90年代に生まれてきて「タツキチ」なんてつけたら子供が大きくなったときに自分の名前を嫌いになってしまうかもしれない。
それならいっそのことタツノシンとかタツノジョウなんかの方がこジャレているかもしれない。
自分の名前は極ありふれた名前で余り好きではない。
もっとカッコいい名前が良かったと思うことがしばしばある。
せっかくつける名前だ、子ども自身好きになってほしい。
家に帰ってきてからも頭の中で名前のことを考えていてテレビはつけているが、内容は殆ど覚えていない。
冷蔵庫に有るものを簡単に料理して夕食は済ませた。
最終的に残ってきたのはタツマ、タツアキ、タツロウ。
タツマは流行っぽい名前を意識して考えた。
タツアキは無難な感じ。
タツロウは少しノスタルジック風な名前と言うことで考えてみた。
当然タツキチは候補には残らなかった。
時計は間もなく夜の11時を指そうとしていた。
ワープロの電源を入れて
「命名 タツマ」
「命名 タツアキ」
「命名 タツロウ」
の三候補をキーボードで打ち込み印刷をした。
「よし、この三つから嫁に選んでもらおう!」
大した仕事ではないはずだが、とても重大な仕事をしたような気分だった。
入院と言っても別に病気な訳じゃないから心配ないし、やはり子供を産むってことは大変なことなんだろう。俺が長居をして気を使わせても可愛そうだし、男の俺がいたからと言って何か手伝ってやれることは限られているので、家に戻ることにした。
「タッチャン・・・かぁ・・・」
タツヒコ、タツユキ、タツオ、タツノリ・・・「タツ」が付く名前って意外に多いことに気が付いた。
「タツ、タツ、タツ・・・」
ふと、タツキチと言う名前が浮かんだ。
「それはないだろう」
と一人で突っ込みを入れてしまった。
ところが、なかなかこのタツキチと言うのが頭を離れなくなって他の「タツ」が思い浮かばなくなってきてしまった。
「ナイナイ!」
ここにきて人の名前を付けることの重大さが分かってきた。
90年代に生まれてきて「タツキチ」なんてつけたら子供が大きくなったときに自分の名前を嫌いになってしまうかもしれない。
それならいっそのことタツノシンとかタツノジョウなんかの方がこジャレているかもしれない。
自分の名前は極ありふれた名前で余り好きではない。
もっとカッコいい名前が良かったと思うことがしばしばある。
せっかくつける名前だ、子ども自身好きになってほしい。
家に帰ってきてからも頭の中で名前のことを考えていてテレビはつけているが、内容は殆ど覚えていない。
冷蔵庫に有るものを簡単に料理して夕食は済ませた。
最終的に残ってきたのはタツマ、タツアキ、タツロウ。
タツマは流行っぽい名前を意識して考えた。
タツアキは無難な感じ。
タツロウは少しノスタルジック風な名前と言うことで考えてみた。
当然タツキチは候補には残らなかった。
時計は間もなく夜の11時を指そうとしていた。
ワープロの電源を入れて
「命名 タツマ」
「命名 タツアキ」
「命名 タツロウ」
の三候補をキーボードで打ち込み印刷をした。
「よし、この三つから嫁に選んでもらおう!」
大した仕事ではないはずだが、とても重大な仕事をしたような気分だった。